世界には今、世界銀行で定めた「国際貧困ライン」である1日1.9ドル未満で生活している人が7億8300万人もいます。これは、世界の約10人に1人の割合です。
1日1.9ドルとは、日本円で約210円。(1ドル110円で換算)
人が健康に生きていくのに必要な、食料も水も口にすることができません。
全世界で、5歳未満の子供の4人に1人が、年齢に見合う身長に達していないというデータもあります。
(国際連合広報センター/事実と数字)
また、病院にかかることもできず、健康的な生活も保障されません。さらに、教育を受ける余裕もなく、貧困が次の世代にも連鎖してしまいます。
教育を受ける機会がなければ、読み書き計算ができず、十分な生活費を稼ぐ仕事につくことができないだけでなく、騙されたり搾取されたりすることで、さらなる貧困を生むことにつながります。
そしてそれが差別の原因となり、社会の一員として認められない連鎖が、親の世代から子供の世代、そして次の世代へと脈々と継がれてしまうことで、多くの子供たちの未来を奪うことにつながります。
また、差別や貧困は、飢餓問題(目標2)やジェンダー問題(目標5)などの背景につながり貧困を解決せずして、SDGsの達成は目指せないことが分かります。
こうした貧困を地球上からなくすには、先進国から途上国への援助が欠かせません。
先進国の国内でも、経済的・社会的に弱い立場の人への支援が必要です。
とはいえ、一時的な資金援助は、途上国の『持続可能な仕組み作り』をするにあたり、難しい側面でもあります。なぜなら、社会的・経済的弱者の自立が1番の目標だからです。
また、地震や洪水といった災害が起きると、多くの人が生活の基盤を奪われます。
気候変動や環境問題で、深刻な影響を受けやすい状態であることも、リスクの1つです。
目標①について考えたこと
大学時代にインドに行った際に、日本だったら小学生くらいの年齢の子供たちが貧しさによって働き手として親と一緒に労働する姿を見かけました。
小学校を訪問した時には、町で見かけた子供たちと同年齢の子供がおそろいの制服を着て、生き生きと学ぶ姿も目にしました。
この差は、まさに【貧富の差】なのだと思い知らされた経験でした。
貧困といっても、最低限の生活資金がない【絶対的貧困】と、その国の平均水準より大幅に低い収入で生活せざるをえない【相対的貧困】があります。日本でも、7人に1人が貧困状態にあるそうです。
国内外問わず、様々な事情によってギリギリの状態で暮らす人たちを私たちが個人レベルで出来ることは何だろうと考えました。
単純に、お金を寄付するという行為も1つの方法ではあると思いますが、例えば、フェアトレードの商品を選ぶことも1つだと思います。
また、人と人のつながりで、直接的ではなくても支援する方法はたくさんあるように思います。
フードバンクにあまりがちな食料を寄付することで、それを使ってごはんを作り、こどもたちに提供する『こども食堂』の応援にもなります。
こども食堂とは、地域住民や自治体が主体となって、無料または低価格でこどもたちに温かな食事やアットホームな雰囲気で団らんを提供する場で、こどもの孤食や貧困が問題になる中で、こういった取り組みが始まりました。
2020年12月には全国に少なくとも5000カ所あることが分かっており、こどもたちの居場所の1つとして広まっている反面、運営費(活動費)やスタッフの確保に悩むこども食堂も少なくないのが現実です。
一方、期限の近づいた非常食を有償で捨てる企業や、廃棄予定の食糧を抱える会社などもあり、その連携が図られることで両者にとって良いものとなっていくのです。
こうした人と人との連携は、国内外問わず、貧困をなくしていくための大きな力になるように思います。
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