SDGsの目標11と『食品ロス』

環境を整える

目標11のターゲットの1つに、

『2030年までに、大気の質及び一般ならびにその他の廃棄物の管理に特別な注意を払うことによるものを含め、都市の1人あたりの環境上の悪影響を軽減する』

というものがあります。

今、都市に暮らす人の数は世界人口の半分以上を占めており、2050年には人口の3分の2にのぼるともいわれています。

陸地面積のわずか3%相当の都市が、エネルギー消費の60%~80%を占め、炭素出量の75%を占めるといわれています。

この結果、大気汚染やごみ問題など都市特有の問題が発生し、全世界の都市人口の過半数は安全基準の2,5倍以上に相当する水準の大気汚染にさらされているのです。

2016年の時点で、都市住民の90%は安全でない空気を吸い、大気汚染による死者は420万人にのぼるという現実があるのです。

住み続けられるまちづくり、という観点でいうと、老朽化した建物のメンテナンスや都市特有の犯罪の防止など安全面への対策とともに、大気汚染やごみ問題などへのアプローチが重要だといえるでしょう。

目標11について考えたこと

都市問題のひとつとして、ゴミ処理について触れられることがあります。
その背景の1つに、飲食店から出される生ごみの量も考えられます。

私が、大学時代に都内で勤めていたエキナカのパン屋さんは、パスタなどの軽食も出すお店だったのですが、ホールで働いていて思ったのが、『食べ残し』の多いことです。

モーニングで提供していた、トーストと茹で卵とコーヒーのAセットは、格安でサラリーマンの方に人気だったのですが、パンの耳だけを残す人、茹で卵を半分だけ残す人。『あと一口で完食するのに、なぜ?』という食べ残しを目の当たりにしました。

中には、せっかく注文したのに電車の時間が迫ったのか、コーヒーだけ飲んで、トーストと茹で卵は丸々、口をつけずに置き去りにされていることもしばしばあったのです。

だったらコーヒーだけ注文すればいいのに!とイラッとしながら下げ台に片した記憶があります。

飲食店が集中する都市には、このような光景は恐らく日常茶飯事であり、飲食店側がどんなに工夫や努力をしても店から出る生ごみをゼロにすることは不可能かもしれません。

しかし、飲食店を利用する消費者側の私たちが食品ロスを意識するだけでも、飲食店の生ごみ問題は軽減されるのではないかと思うのです。

都市部に暮らしていなくても、都市部に行った際の飲食店の利用の仕方1つで『住み続けられるまちづくり』の一旦を担うことができるのです。

また、このことは都市部に限らず、その生産地となる輸入元の地域の人たち、食品を作るために日々伐採が続けられている森林に住む動物たちの「住み続けられる」環境作りに貢献できるとも考えられます。

小さくても意味のある行為を、地道に続けていくことが我々に出来ることの1つだと思うのです。

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