SDGsの目標12と『動物実験』

環境を整える

2050年までに世界人口が96億人に達した場合、現在のような生活様式(大量生産・大量消費)を続けるためには、地球が2・8個必要といわれています。

世界では毎年、生産される3分の1に相当する13億トンもの食料が廃棄されるという現実があります。劣悪な輸送や収穫実践で傷んでしまい廃棄されたり、消費者側の問題としてフードロスになることが背景にあるのです。

日本においても年間643万トンの食品ロスが問題となっています。
その半分は家庭から出るもので、原因としては『買い過ぎて食べないまま腐らせてしまう』『作りすぎて余らせてしまう』『野菜や果実の外皮を必要以上に取り除いてしまう』というものがあげられます。

食品ロスを削減することは、エネルギー資源の節約や水資源ならびに生態系の保全にも関わるだけでなく、食料の適切な分配による飢餓問題の克服にもつながる鍵となります。

また、食品ロスに限らず、石鹸や加工食品に使われる『パーム油』の問題もあります。
これはカップ麺やスナック菓子、マーガリンや洗剤などにも使われる、アブラヤシという植物の実から採れる油で、私たちの日々の生活で消費する製品に多用されています。

近年、アブラヤシのプランテーションをつくるために熱帯雨林が大規模に伐採され、生き物のすみかが急速に失われ、その生態系をおびやかしています。

また、その生産現場では低賃金で働かされる子供たちの存在もあり、教育を受けられず貧困から抜け出せないでいることも明らかになっているのです。

消費者側の「つかう」姿勢ひとつで、生産者側の「つくる」姿勢につながることは否めません。
消費者の購買の傾向が、流通を変え、生産のあり方を変えるからです。

目標12について考えたこと

突然ですが、私は、動物が大好きです。
犬も猫もカラスもアルパカも好きですし、夏場は道端でひっくり返っているセミの生存確認をして、生きていたら木に戻すようにするくらい、動物が好きです。

北極の白熊が、温暖化で溶け行く氷河の上で、アザラシを捕食できずに人間のゴミを漁って飢えに苦しみながら生きていることを知り、涙が止まらず、それから環境問題に対して本当に小さなことでも取り組んでいこうと決めました。

そんな私が『つかう責任』として1番考えさせられるのが、動物実験の問題です。

動物実験は、安全で便利な人間社会を形成するのに必要不可欠だという見方もあります。

今ある化粧品や医薬品、生活用品があるのも、多くの動物の犠牲の上に成り立っていることは間違いないのです。

代々木公園の「アースデージャパン」の催しに大学時代に数回足を運んだ際、様々な環境問題にアプローチする団体のブースを回る中で、最も衝撃を受けたのは動物実験の現状を写真などでパネル展示していたブースでした。

目を見開かされ、そこにあらゆる洗剤やシャンプー、リンスなどを『点眼』されるウサギ、手足を拘束され、皮膚の毛を剃られ、そこに薬品を塗布されるビーグル犬やサル。

生活必需品とされるものでも、そういった動物実験を経て作らられるものと、そうでないものとがあることも、その時はじめて知りました。

それから私は、自分が何を選ぶか、どんな企業を選ぶかを、考えて購買活動をすることにしました。

企業自体が動物実験はしていません、と公言していても、その下請けとなる海外の会社では動物実験が行われていること、『企業努力』のために動物実験は辞めないと公言している企業があることも知りました。

動物実験がなされてきた製品を、問題意識なく散々使わせてもらってきておいて、という見方もありますが、でも、だからこそ、これから先の人生で使うものは、少なくとも化粧品など自分でつかうもので選択できるものは、動物に優しいものを選んで買おうと思うのです。
加えて、エシカル消費を心掛けることも1つです。

持続可能な漁業で獲られた水産物の証であるMSC認証ラベルが貼られた商品を選んだり、オーガニックコットンが使われたタオルを選んだりすることもエシカル消費の方法の1つです。

その行為を続けること、そして呼びかけていくことが、人間だけに優しい社会ではなく、生き物全体に優しい社会をつくっていく小さな波の1つになることを祈ります。

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