開発途上国の初等教育就学率が91%に達したものの、いまだに5700万人の子どもが学校に通えていない、という事実があります。
子どもが教育を受けられない背景には、働き手として学問よりも働くことを強いられる、紛争が起きていて学校で学ぶ環境が成立しない、貧困により教育を受ける機会を得られないなど様々なものがあります。
そして読み書きができない15歳以上の人は7億人、そのうちのおよそ3分の2が女性であり、これは女の子が小学校に通わせてもらえないという地域があるからです。
SDGsのもとになったミレニアム開発目標(MDGs)の目標の中に、2015年までに、全ての子どもたちが、男女の区別なく、初等教育の全課程を修了できるようにするという『初等教育の完全普及の達成』というものがありました。
この結果、小学校に通う子どもの数も、男女の就学率も改善されましたが、上記のように、まだ課題は残っているということになります。
教育機会の不平等は、いうまでもなく経済格差にもつながり、さらなる差別や紛争を生み出しかねないともいえます。教育による知識や技術の修得を進めることは、平和で豊かな社会を創っていくことの土台になるといえるでしょう。
目標④について考えたこと
私が大学生のころ、ニュージーランドにホームステイした際に訪れた現地の小学校は日本の小学校とは異なり、教室に机や椅子がなく、カラフルな掲示物に囲まれた自由な雰囲気の教室でした。(たまたま訪れた学校がそうだったのかもしれませんが)
また、インドの小学校では、富裕層の子どもたちがお揃いの制服を着て通ってくる反面、同年齢の子どもでも、親とともに街中で売買をする姿を見かけたのも印象に残っています。
教員を目指していた大学時代、この2つの国の学校訪問はとても勉強になりました。
社会人になり、通信制の高校に勤めたことがきっかけで、不登校に悩む高校生の学校生活をいかに楽しませるか、そして夢を見つけて、叶えるための方法を模索し、進路指導をして卒業させる、という濃厚な12年間を過ごしたのですが、その中で、幾度となく学校という場所の意義や意味を考えさせられました。
基本的な読み書き・計算が出来ることが前提で、それ以降の教育に関しては、どのように受けるか、どのような環境に身を置くか、本当の進路実現とは何か、様々なことを考えさせられました。
世界中の子どもたちの学びのスタイルは違えど、次世代を担う子供たちの学びを応援できる環境を作っていくのは、大人としての使命であるように感じます。
学校に通いたいけれど、家庭環境や健康状態、紛争などによって通えない子供たち。
はたまた、学校に通うことはできるはずだけれど、『行かない』ことを選ぶ子供たち。
子供たちの居場所を作り、社会性を育て、自立させていく、共生する力を育む場にこれからも何らかの形で携わっていたいと思います。
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