昨日のブログでは、期末テストのことについて書いたので、
テスト関連のことを少し。
教師として面白い時間の1つに『試験監督』の時間があります。
試験監督のお仕事は主に、以下の通りです。
- 試験開始10分前には教室に入る。
- 生徒を座らせる。
- 問題用紙を配布する。
- 注意事項を伝える。
- 試験開始の合図をする。
- 不正行為がないか目を光らせる。
- 試験終了5分前を伝える。
- 試験終了を伝え解答用紙を回収する。
- 出席番号・氏名が全員書かれているか確認する。
そしてここからが本題なのですが、試験監督中の50分、
いかに過ごすかが肝になってきます。
もちろん座ってはいけないし、
生徒たちに注意を向けなければならず、
暑さ(寒さ)や窓からの眩しさ、体調不良の様子に気を配り、
消しゴムを落としたら拾いにいくのですが、
『静かに黙って、その場に居続ける』という仕事に
教員になった当初は戸惑いました。
50分が長く感じる。おなかが鳴ったらどうしよう。など
試験監督の仕事をあまり好きになれなかったのです。
でもいつからか、その考え方をスイッチできるようになりました。
同じ50分なら、責務(生徒への注視)は果たしながら、
最大限に楽しんでやろうと、考え始めたのです。
基本は、生徒観察ゲームです。
- 試験監督として初めて入るクラスなら生徒名を全員覚える
- 左利きの子を数える
- 眼鏡の子を数える
- 消しゴムのMONOを使っている人数を数える
- 黒い消しゴムを使っている人数を数える
- 下の名前が一見読めない子の名前の由来を考える
- 髪の長さ別に、割合を計算する
- 半袖と長袖、セーターとベストの割合を計算する
- 生徒の名前を縦書きしたら全文字左右対称の子を見つける
- 生徒の名前の中に母音が5つそろっている子を見つける
そうするようにしたら、
50分があっという間に過ぎるようになりました。
つまらないしか思えなかった試験監督を、自分なりに
頭の中でアレコレ考えながら工夫できるようになったのです。
目の前の現象を少し違う角度で観察したり数値化したりする、
『頭と心の柔軟体操』は、日常生活でも使えるスキルかなと思います。
エレベーターや横断歩道、踏切の待ち時間や
満員電車の中、駅のホームなど、じっとそこに居続ける時に
何を見るか、何を観察するか、どのように考えるか、
自分の頭と心でひとめぐり面白そうなことをしてみるのも1つかなと。
スマホの画面を覗き込むのも有意義かもしれませんが、
自分の頭や心の中でいろいろ考える、発想力を磨きたいと思うのです。
検索すれば何でも分かるご時世だからこそ、
知識量が全てではないと国語の授業でも伝えているのですが
そんな自分だからこそ、柔らかく、面白く、いられたらと思うのです。
人は歳を取るにつれて頑固になったり、
物事に対して一定の価値基準しか持てなくなったり、
そういう側面があると言われています。
だからこそ、意識して頭と心の柔軟性を大切にできればと思います。
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