SDGsの目標10と『国語力』

環境を整える

世界の中で、最富裕層と最貧層は、どちらも20%という割合で、最貧層世帯の子どもが、5歳の誕生日を迎える前に死亡する確率は、最富裕層の3倍も高いといわれています。

その背景には貧困、飢餓、紛争があり、極端な格差によるものが一因として考えられます。

世界の富の半分以上が、わずか1%の人のものだといわれる昨今、経済成長を謳い、産業や技術の革新を進めたところで、富の集中が続くようであれば、結局は上記のような貧富の格差をなくすことは出来ず、解決されないままになるでしょう。

富をうまく再分配する仕組みつくり、年齢や性別、障がいの有無、人種、民族、宗教などに基づく不平等なルールの撤廃、国際援助における国家間の取り決めの見直しなどが、目標10の実現の糸口だといえそうです。

目標10について考えたこと

SDGsの理念のひとつに『誰も置き去りにしない世界をつくること』が挙げられます。

誰かからの搾取で成り立つ社会や、偏見や格差を土台にして成り立つ社会に問題意識を持つことがスタートになるように感じます。

国語の授業をする中で、様々な小説や評論文を中高生に読ませるのですが、テストに出るか出ないか、新出漢字の書き順がどうか、という話はさておき、私が大事にしているのは『教科書で教えること』です。

この作品を通して筆者が何を言いたいのか、他の作品との関連性や今を生きる生徒たちの生活との関わり合いはどんなことか、そういった点を考えさせることで多角的な読解を進めます。

真の国語力とは、目の前の物事の表面や一点のみを読み取るのではなく、あらゆるものと関連付けたり、視野を広く持ち物事の多面性を捉えながら思考を進める力だと思います。

偏見をなくす教育、お互いを認め合い生かし合う「共生社会」の実現に、微力ながら関わっていたくて、教育現場から離れたくない、という私なりのこだわりの1つがここにあります。

これからも授業を通して、様々なことを語りかけられる教師でいられるよう、そしてあらゆる生徒を、それこそ平等に接することができる教師でいられるよう、柔らかい頭と『聴く』耳をもつ人間でありたいと思うのです。

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